【保存版】ランジェリー、インナーウエアには欠かせない『ツーウェイストレッチ』その技術の起源と発展:歴史、利点と影響を解説

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目次

  1. はじめに:丸編みと経編み2WAYストレッチの違い
  2. 経編み2WAYストレッチ技術の起源
  3. 経編み2WAYストレッチ技術の歴史
  4. 19世紀における経編み技術の発展
  5. 経編み2WAYストレッチ技術の利点
  6. 2WAYストレッチ技術の開発に影響を与えた要因
  7. 参考文献

1. はじめに:丸編みと経編み2WAYストレッチの違い

今やランジェリーには欠かせないツーウェイストレッチ!
同じストレッチ素材でもワンウエイストレッチでは機能が全然違います。
生地の編み方によって、その特性や用途が大きく異なります。
代表的な編み方として丸編み(循環編み)と経編みがあります。
特に、経編み2WAYストレッチは、近年の技術革新により高い評価を受けています。
ここでは、両者の違いと特徴を解説します。購入時、悩んだ際の参考になれば嬉しいです。
※本文内では、ツーウェイストレッチを2WAYストレッチと表記してます

丸編み(循環編み)

  • 特徴:丸編みは、一本の糸を使用して円筒状に編み進める方法です。編み機が回転しながら編むため、縫い目のないシームレスな生地が得られます。
  • 用途:Tシャツ、セーター、靴下など、日常的なカジュアルウェアに多用されます。
  • 特性
    • 伸縮性:横方向(幅方向)への伸縮性が高く、柔らかいフィット感があります。
    • 風合い:柔らかく、肌触りが良いのが特徴です。
    • 形状安定性縦方向の伸縮性が低いため、洗濯後の伸びや型崩れが起こりやすい場合があります。

経編み2WAYストレッチ

  • 特徴:経編みは、複数の糸を縦方向に並行して供給し、それぞれが独立してループを形成します。これにより、生地全体が強固に結合され、高い強度と安定性を持ちます
  • 用途:スポーツウェア、水着、アクティブウェア、医療用生地など、機能性が求められる製品に適しています。
  • 特性
    • 伸縮性:縦横両方向(長さ方向と幅方向)に高い伸縮性を持ち、2WAYストレッチを実現しています。
    • 形状安定性高い復元力があり、洗濯や着用による型崩れが起こりにくいです
    • 耐久性:強度が高く、摩耗に強い特性があります。

違いのまとめ

  • 編み方の違い
    • 丸編み:一本の糸で横方向に螺旋状に編む。
    • 経編み:複数の糸を縦方向に供給し、個別にループを形成。
  • 伸縮性の方向
    • 丸編み:横方向の伸縮性が高い。
    • 経編み2WAYストレッチ:縦横両方向に高い伸縮性を持つ。
  • 用途の違い
    • 丸編み:カジュアルウェアや肌着など、日常的な衣類
    • 経編み2WAYストレッチ:スポーツウェアや機能性が求められる製品

2. 経編み2WAYストレッチ技術の起源

経編み2WAYストレッチ技術は、ニット生地の製造における重要な進化の一つであり、その起源は18世紀後半に遡ります。1775年に発明されたとされる経編み(warp knitting)技術は、生地の端に平行に糸を供給しながらループを形成する方法です。この革新的な技術は、従来の編み方に比べて高い伸縮性と強度を持つ製品を生み出すことが可能であり、特にストレッチ性のある生地を作るために適しています。

経編み技術の特徴

  • 糸の供給方法:複数の糸を縦方向に並行して供給し、それぞれが独立してループを形成。
  • 生地の構造:目が細かく、滑らかな表面を持つ。
  • 用途の広さ:スポーツウェア、医療用生地、インテリアファブリックなど、多岐にわたる。

20世紀に入ると、スポーツウェアやアクティブウェアの需要が急増し、伸縮性と耐久性を兼ね備えた素材が求められるようになりました。この市場のニーズに応える形で、経編み技術はさらなる進化を遂げ、縦横両方向に伸縮する2WAYストレッチの特性を持つ生地が開発されました。これにより、動きやすさと快適さが大幅に向上し、多くのアクティブシーンで活用されるようになりました。


3. 経編み2WAYストレッチ技術の歴史

経編み2WAYストレッチ技術の歴史は、繊維産業の発展と密接に関連しています。その進化は、技術革新、市場の需要、社会的要因など、さまざまな要素が組み合わさって形作られてきました。

初期の発展

  • 19世紀:産業革命の影響を受け、経編み機の機械化が進展。手作業から工場生産への移行により、生産効率が飛躍的に向上。
  • 1807年:駆動軸とリフティングディスクの発明により、経編み機の性能が大幅に向上。安定した高速生産が可能となり、生産コストの削減につながる。

技術の革新

  • 1816年:サミュエル・ベンソンが最初の円形編み機を発明。これにより、チューブ状の生地を効率的に生産でき、靴下や帽子などの大量生産が可能に。
  • 1847年:ウィリアム・コットンが完全自動化された編み機を開発。複雑なパターンやデザインの生地を人手を介さずに生産でき、製品の多様性が飛躍的に増加。

近代への飛躍

  • 20世紀初頭:電気や電子技術の発展により、編み機に電子制御が導入。生産精度が向上し、複雑で高品質な生地の生産が可能に
  • コンピュータ制御の編み機:デジタル技術の進歩に伴い、編み機のプログラミングが可能となり、デザインの自由度が大幅に拡大。経編み2WAYストレッチ技術もこの恩恵を受け、機能性とデザイン性を兼ね備えた製品が市場に登場

4. 19世紀における経編み技術の発展

19世紀は、経編み技術が大きく進化し、現代の繊維産業の基盤を築いた重要な時代です。

機械化の進展

  • 駆動軸とリフティングディスクの発明:編み機の動作をスムーズかつ高速にし、生産性を向上。
  • エネルギー源の変化:蒸気機関の導入により、手動から機械動力への転換が進み、生産効率が劇的に向上。

新しい編み機の開発

  • 円形編み機:サミュエル・ベンソンの発明で、円筒形の生地を連続的に生産可能に。製品の形状に合わせた生地の製造が可能となり、加工工程が簡略化。
  • 複雑な機構の追加:19世紀後半には、リブ編みやケーブル編みなど、多様な編みパターンを実現する機構が編み機に組み込まれる。

国際的な技術交流

  • 技術の輸出入:イギリスを中心に発展した経編み技術は、ヨーロッパ各国、アメリカ、日本に広がり、独自の改良が加えられる。
  • 教育と研究:繊維工業の専門学校や研究機関が設立され、人材育成と技術研究が体系的に行われる。

5. 経編み2WAYストレッチ技術の利点

経編み2WAYストレッチ技術は、その優れた特性から、多くの分野で高い評価を受けています。

デメリットとしては、1度の製造に10,000メートル以上且つ、その倍数での製造になるため、現在、経編み2WAYストレッチは、市場に出回りにくい状況です。

同じ2WAYストレッチでも経編み以外もあります。
その質感や機能はまるで違いますので、確認が必要です。

1. 優れたフィット感

  • 身体への適応:縦横両方向に伸縮するため、衣類が身体の動きに自然にフィットし、違和感のない着心地を提供。
  • 動きの自由度:スポーツやダンスなど、激しい動きを伴う活動でも、衣類が動きを妨げない。

2. 高い伸縮性

  • 弾性繊維の使用:スパンデックスやポリウレタンなどの高弾性繊維を使用し、通常のストレッチ素材の約5~6倍の伸縮性を実現
  • 形状回復力:引き伸ばされた後も速やかに元の形状に戻り、衣類のシルエットを長く保つ。

3. 形状安定性

  • 洗濯後の形崩れ防止:経編み構造と高弾性繊維の組み合わせにより、洗濯や着用による形崩れを防止。
  • 耐久性繰り返しの使用にも耐える強度を持ち、コストパフォーマンスに優れる。

4. 吸水速乾性

  • 汗の吸収と蒸発生地が汗を素早く吸収し、表面に拡散させ、速やかな蒸発を促進。
  • 快適な肌触り:湿度をコントロールし、肌を常にドライで快適な状態に保つ。

5. 軽量で通気性が良い

  • 軽い着心地:生地自体が軽量で、長時間の着用でも負担を感じにくい
  • 通気性:編み目構造が空気の流通を促し、体温調節をサポート。

6. 2WAYストレッチ技術の開発に影響を与えた要因


2WAYストレッチ技術の発展には、多岐にわたる要因が影響しています。

1. 消費者のニーズの変化

  • ライフスタイルの多様化:アクティブな生活を送る人々が増え、快適で機能的な衣類への需要が高まる。
  • 健康志向の高まり:フィットネスやアウトドア活動の普及により、動きやすさを重視した素材が求められる。

2. 技術革新

  • コンピュータ制御の導入:編み機の精度と生産性が向上し、複雑なデザインや機能を持つ生地の生産が可能に。
  • 新素材の開発:ナノテクノロジーや先端化学の進歩により、高性能な繊維素材が次々と開発。

3. 材料の進化

  • 弾性繊維の改良:スパンデックスやポリウレタンなどの弾性繊維が改良され、耐久性や伸縮性が向上。
  • 環境に優しい素材:リサイクル素材や生分解性繊維の開発が進み、環境負荷を軽減。

4. ファッション業界の影響

  • 機能性とデザイン性の融合:アスレジャー(Athleisure)のトレンドにより、ファッション性と機能性を兼ね備えた衣類が求められる。
  • ブランド戦略:各ブランドが差別化を図るため、独自の技術や素材を開発し、市場競争が激化。

5. 環境への配慮

  • サステナビリティ:環境問題への関心が高まり、持続可能な素材の使用やエネルギー効率の高い生産プロセスが重要視。
  • エコラベルの導入:環境に配慮した製品に対する認証制度が整備され、消費者の選択肢が広がる

7. 参考文献

  1. 日本繊維工業連盟、『繊維工業の歴史と技術』、2015年。
  2. 繊維学会誌、『経編み技術の発展史』、第45巻、第3号、2010年。
  3. テキスタイルテクノロジー出版、『現代のテキスタイル技術』、2018年。
  4. アパレル科学研究所、『2WAYストレッチ素材の特性と応用』、研究報告書、2019年。
  5. 環境省、『持続可能な繊維産業への道』、2020年。

まとめ

経編み2WAYストレッチ技術は、歴史的な技術革新と現代の多様なニーズが融合して生まれたものです。その優れた特性は、快適さ、機能性、デザイン性を求める現代社会において、ますます重要性を増しています。環境への配慮や持続可能性が求められる中で、この技術はさらなる進化を遂げ、新たな可能性を切り開いていくことでしょう。

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